2013年6月25日火曜日

99Cents Only Stores(99セントストアー)


庶民の強い味方、アメリカ版”100均”をお伝えします。

創業当事、お買い得品として僅か99セントでTVを販売したアメリカの99セントショップ。
広告費を捻出する為、友人からの発想とアドバイスによるものでしたが、これはTV局の電話回線がパンクするほど問い合わせが殺到し、彼らの思惑通り99セントショップの名を世に知らしめる事に成功。CEO.Dave Gold(デイブ・ゴールド)のユニークな商法とは。

99Cents Only Stores(99セントストアー)は、アメリカ版100円ショップでありますが、先ず日本における100円ショップ(100均/ひゃっきん) の始まりを見てみましょう。現在の100円ショップに近い業態を営んだ戦前の例として、高島屋が全国に展開したいわゆる『十銭ストア』が挙げられます。1926年(大正15年)に大阪・長堀店に『なんでも十銭均一売場』を設置したのが始り、とあります。

その後1932年(昭和7年)にかけて独立型の店舗50店を大阪・京都・名古屋・東京周辺に展開し、大好評を博したといいます。大正時代には現在の100円ショップの基盤が既にあったというわけですね。豆腐1丁5銭、うどん、そばが1杯10銭の頃の話ですが、この時代の発想としては非常に新鋭的でした。日本初の『100円ショップ』は、1985年にオープンの春日井店が第一号店となります。

一方、アメリカ版100円ショップ99Cents Only Stores(99セントストアー)の歴史はと言いますと、時は1982年、ロシア移民でオハイオ在住のビジネスマン、Daved Gold(デイビット・ゴールド)により、カリフォルニアに拠点を置く小売業が始まりとなります。先ず最初にDaved (デイビット)は、酒屋などで売れずに眠っているワインを安く譲り受け、それらを99セントで販売しました。そしてワインだけでなく連鎖反応を確認すべく、チーズも99セントで販売したところ、瞬く間に完売になり、次のセールの問い合わせの対応に一日中追われました。現代のようにPCなど普及していない時代、電話での応対係が3人いても間に合わなかったとか。

Daved (デイビット)は2003年のインタビューで『私が1.02セント、または98セントでワインやチーズを販売しても全てを売り払う事は出来ませんでした。ですが99セントのサインを出せば直ぐに完売となりました。私はそれが ”マジック・ナンバー” であると理解し、確信しました』と話していることから俗に言う ”プライスマジック” の仕掛けがそこにあったのが解ります。

99セントのTVを販売したDaved (デイビット)のユニークな商法と広告は他にもあります。それは『一週間に9日の公告』というもので、99セントの商品の他にユーモラスなニュースやコメントも載せました。例えば『ジョーン・リヴァーズの幸せな99回目の美容整形を祈ります』をはじめ、『ロサンゼルスLosing 99大会のドジャーズをお祝いします』など、世間で話題になっていることを載せて人々を楽しませました。因みにジョーン・リヴァーズとは、ショービズ界(ショービジネス)の有名なお方ですが、現在まで700回以上の整形手術を公言している 方であります。

話は横にそれましたが、それたついでにもう一つ。ハリウッドの内部カメラマンAndreas Gursky(アンドレア・ガースキー)が保存しているAltarpiece(アルターピース/祭壇画)の写真は、この(99セントストアー)の広告によってその存在が知られる事となり、2007年2月に競売にかけられ、330万ドルの値がついて祭壇画の最も高価な写真となったそうです。

現在、99Cents Only Stores(99セントストアー)は、ロスアンゼルス、シカゴ、ヒューストンにショールームを持ち、15カ国以上の国々に輸出しています。また、ラスベガスとシカゴで開かれるトレードショーにも毎回出展しています。取り扱いブランドとしては、ほぼ有名なブランドとの直接取引で以下のブランドが通常販売されています。デルモンテ、キャドバリーアダムズ、チャーチ&ドワイト、コカ・コーラ、コルゲート、ダイアル、エナージャイザー、ハインツ、ハーシー、レブロン、ユニリーバ、ネスレ、ジョンソン・アンド・ジョンソン、ケロッグ、クラフト、プロクター・アンド・ギャンブル、Etc.

6月現在の99セントストアー、7月4日のアメリカ独立記念日に向けて、店内はアメリカ国旗一色です。2~3年前からお目見えした冷蔵庫には有名ブランドの食品が並び、見る限り安かろう悪かろうのイメージはどこにもありませんが、野菜やフルーツなどは明らかにフレッシュさにかけており、今後の課題になるかとも思われます。景気の悪い昨今、食料品はもとより、生活用品の全てを99セントストアーでまかなって暮らしている人達がたくさんいます。クリスマスやハロウイン、バレンタインデーや独立記念日、そして赤ちゃん誕生やお誕生日グッズまで揃い、まさに庶民の心強い味方となっています。

日本の”100均”もLAにありますが、100円の商品は少なく大体が350円くらい・・もはや100均ではなくなっていますが、日本と日本の物が大好きな国々の人達に大人気で、日曜日はレジに長蛇の列が出来ています。逆に日本からの旅行者はお土産を探しに99セントストアー来るのだそう。ハワイやNYの99セントストアーもご当地ならではのグッズがあり、コレクションしている人も多いと聞きます。”これも99セント?"と、驚くような物まで陳列してあるので一度ご覧になられたら楽しいかと思います。
HPをご覧頂きますと販売されている商品が分かって面白いです。是非ご覧ください。

http://www.99only.com/

創立      1982年
創設者   David Gold(デイビッド・ゴールド)
CEO       Richard Anicetti (※臨時のCEO)
本部       California, USA
収益       $1.30 billion(2009)
営業利益  $12.91 million(2009)
純利益     $8.48 million(2009)
総資産     $662.87 million(2009)
従業員    11,500(2009)
ウェブサイト  99only.com

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