2013年6月2日日曜日

アメリカのデパート第3回 NORDSTROM(ノードストローム)について 前半



アメリカ合衆国ワシントン州シアトルに本部と本店を置き、全米でも有数の大型チェーンデパート。(シアトルにある本部と本社は法人)ニューヨーク証券取引所(ティッカーシンボル:JWN)にも上場しています。競合する高級デパートはBloomingdale’s(ブルーミングデールズ)、Neiman Marcus(ニーマン・マーカス)、Saks Fifth Avenue(サックス・フィフス・アベニュー)、Lord & Taylor(ロード・アンド・テイラー)等。日本では、1999年に西武百貨店が国内販売契約を締結しています。

NORDSTROM(ノードストローム)」通常はストロームと伸ばすが、州によって(ストロム)とも呼ばれています。

NORDSTROM(ノードストローム)には、数々のお家騒動があることでも有名なカンパニーですが、そのうちの一つが以下の内容で、事あるごとにゴシップコラムとして書かれています。

1887年、スウェーデン人移民であった16歳のJohn W.Nordstrom(ジョンW.ノードストローム)は、デパートを経営するという夢を持ってアメリカ合衆国へ移民してきました。彼はスウェーデン北部、ルレオに程近いAle村の生まれで、元はJohan Nordström(ヨハン・ノルドストローム)という名前でした。最初に始めたビジネスは靴屋と言うのも有名な話です。

それから長い年月を経た1990年代までは、同社の第四世代とされる初代NORDSTROM(ノードストローム)の子孫が経営陣を固めていました。その後、人間として悲喜交々の末、NORDSTROM(ノードストローム)家とは血縁の無い、John Whitacre (ジョン・ウィテカー)が、1997年に初めてCEOの座に就きました。それゆえ2001年には、創業者一族の一人Bruce A.(ブルース・A)の息子達、Erik and Peter(エリック&ペーター)は、『同社の経営にはNORDSTROM(ノードストローム)家が未だに権力を有している』と主張しており、NORDSTROM(ノードストローム)の水面下ではまだ何かが燻っているのでは・・とも囁かれています。

NORDSTROM(ノードストローム)は、シアトルの小さなデパートから今やアメリカを代表する大企業になりました。その拡大は主として新規店舗の出店によるもので、同業者の買収による部分は小さいとされています。1975年にアラスカ州に出店しましたが、この際にNORTHERN KOMIRICAL(ノーザン・コメリカル) 社を買収しました。これはNORDSTROM(ノードストローム)社史上、唯一の買収による出店となっています。同年にはNORDSTROM RACK(ノードストローム・ラック)という、アウトレットの第一号店をシアトルに出店しています。

アメリカ北西部のデパートチェーンNORDSTROM(ノードストローム)は、今や売り上げ2億5000万ドルに達し、全米第三位の小売店となっています。1978年に、南カリフォルニアのCOSTA MESA(コスタ メサ)に出店したのを皮切りに、1990年代初頭までに、NORDSTROM(ノードストローム)26店舗とNORDSTROM RACK(ノードストローム・ラック)1店舗、合計27店舗がカリフォルニアで展開されています。

次なるNORDSTROM(ノードストローム)の躍進は、一元的なアプローチではなく、強く地域に密着した企業形態を形成することにあると思われます。カリフォルニアへの出店に続き、1988年、北東部にあるバージニア州タイソンズコーナー店をオープンし、続いて1988年に中西部(イリノイ州オークブルック店)、1991年に南東部(ジョージア州アトランタ店)、1998には南西部(テキサス州ダラス店)が、次々とオープンしました。

また、NORDSTROM(ノードストローム)は、その地域での将来のビジネス拡大を視野に入れ、地域第1号店を地元従業員をトレーニングする拠点として、重要視しました。これは配送拠点の存在に裏打ちされたものであるとも言われています。1978年~1995年にかけ、ノードストロームは46店舗を開業したことになります。

後半に続きます。

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