2013年6月16日日曜日

LE CREUSET(ル・クルーゼ)

 

今や私達の暮らしに深く浸透しているLE CREUSET(ル・クルーゼ) のお鍋。
豊富な色と形の可愛いお鍋は、キッチンに一つあるだけでなんだか楽しくなってきますね。

LE CREUSET(ル・クルーぜ)   の象徴ともいえるその独特のオレンジの色味は、高炉で鉄が煌々と燃えさかる色になぞらえて調合されたものであり、当時、お鍋といえば鉄の色(=グレー)というイメージがあったなかで、躍動感にあふれる”オレンジ色”を配したお鍋の登場は、当時大変画期的でした。

この良品がつくられているのは、ベルギーに程近いフランスの小さな村、フレノア・ル・グラン。
特殊な複数層ホーロー加工の鍋の特長として、熱が逃げにくく焦げにくい、また、材料を入れても温度が下がりにくいといった、優れた長所を持っています。1925年の創業以来、次々に発表されるコレクションは、ときにユニークで斬新なものばかりで、現在では、多くの料理愛好家やシェフなどに親しまれています。

**世界中で愛されているお鍋はこの村から**
フランス北部エーヌ県、サンカンタン市の郊外にある小さな村、フレノア・ル・グラン。
パリ市街から車を飛ばして2時間ちょっと、ベルギーとの国境に程近いその村にLE CREUSET(ル・クルーゼ)の工場があります。フレノア・ル・グランのある北フランスは、コークス・砂・鉄の産地としても有名です。そんな場所にLE CREUSET(ル・クルーゼ)が創業したのは、80年以上も前の1925年のことでした。

フレノア・ル・グランの人口は僅か3000人ほどです。ほとんどの家が農業を営んでおり、工業はこのLE CREUSET(ル・クルーゼ)の本社工場と小さなバイク工場のみ。村の全人口の6分の1がここで働いているといいます。中には親子3代LE CREUSET(ル・クルーゼ)の工場で働いているとか、日本のトヨタならぬCREUSET(ル・クルーゼ)村、といったところでしょうか。

1925年、鋳物のスペシャリストであるアルマン・ドゥザゲールと、熟練のホーロー細工職人であるオクタヴ・オーベックは、知人の紹介で出会いました。2人は互いの知識を交換し合い、技術とセンスを融合させることにより、それまでにはなかった革新的なデザインと、卓越した品質を叶えた ”鋳物ホーロー鍋” の製造技術を開発しました。村の一角に工場を創業した2人は『LE CREUSET(ル・クルーゼ) という社名をつけました。LE CREUSET(ル・クルーゼ)は、高熱でどろどろに溶かした鋳鉄を、型に流し込む製法を表しているCREUS(クルーゼ)に、定冠詞の(ル)をつけてLE CREUSET(ル・クルーゼ)の社名は誕生しました。

今や日本でも頻繁に見かけ、キッチン道具の一つとしてすっかり定着感のあるLE CREUSET(ル・クルーゼ)の鍋。日本に正式にやってきたのは1991年のことでした。フランスに煮込み料理の文化があるのは、LE CREUSET(ル・クルーゼ)があったからだとも言われ、一家に3つは必ずあり、母から子へ、そしてまたその子へと代々譲り受け、大事に使われ続けるのだそうです。

**工場の中**
世界60カ国に輸出されているLE CREUSET(ル・クルーゼ)の鍋は、その全てがフレノア・ル・グランにある工場でつくられます。一日70トンの鉄を溶かして出来上がるのは35トン分の製品。うち、なんと90%が輸出用なのだそう。原材料である96%の鉄とコークスなどの鉱物を加えた物を溶かし、砂で出来た型に流し入れます。固まったら型から抜き、出っ張りや欠けをチェック。完璧だった物だけがホーロー加工されます。その後、乾燥機にかけ、最後に800℃で焼き上げて完成となります。

創業時はこれらの肯定は全て手作業で行われていましたが、時代の流れとともに機械化が進んでいます。とはいえ、それによって人員を削減したことはないといいます。それは、機械化されても人による綿密なチェックを怠らない為、一つの工程を終えるたびに人の目で厳しくチェックするのです。鉄の塊から一つのお鍋が完成するまでの全8工程のうち、人の手やチェックが入るのは、およそ30回。どんなに機械化が進んでも、”人”でなくては出来ない作業は人が行う。それを大事にしているからこそ、LE CREUSET(ル・クルーゼ)製品は手づくりの風合いが感じられるのかもしれません。

また、工場内では作業員のユニホームが、3種類のカラーに分かれています。それぞれの部署が何の作業をしているのか、工場内でわかりやすいよう色別の作業着になっています。梱包する人は赤、色を塗る人は青、鋳鉄作業の人が緑といった具合に作業服を着ています。なんともおしゃれで、いかにもフランスと感心しました。品質に高い水準を持つ日本市場に向けた製品は、専任の担当者によるさらなる精密なチェックが行われ、厳しい検査にクリアしたもののみが出荷されます。安心の保証制度は、職人による品質への自信の表れです

**日本発のLE CREUSET(ル・クルーゼ)製品**
各国の料理文化に合わせた製品を開発しているLE CREUSET(ル・クルーゼ)。すき焼きや鍋物などに最適なやや浅目の鍋『ココット・ジャポネーズ』や、お花形の鍋『ココット・フルール』は日本で開発された製品です。また、鍋にセットするだけで手軽に蒸し料理ができるアクセサリー『スチーマー』や『マルチ・スチーマー』も日本で生まれ、今では世界で利用されています。また、日本のお客様に向けて開発されたさまざまなピンク色は、現在定番カラーとなっています。

**LE CREUSET(ル・クルーゼ)の歴史**
1925年 フランス北部のフレノワ・ル・グランにてLE CREUSET(ル・クルーゼ)社を創業
1957年    フランスの老舗鋳物工場クーザンス社を買収

1958年    レイモンド・ローウィ作の『コケル』を発表
※“インダストリアルデザインの父”と呼ばれるフランス系アメリカ人、レイモンド・ローウィがデザインした『コケル』という両手鍋を発表。この『コケル』はLE CREUSET(ル・クルーゼ)社設立80周年を記念し、2005年に復刻版が発売されました。

1962年    アウトドア、ウィンタースポーツの流行に合わせて『フォンデュ』を発表
1974年    アメリカ支社設立表
1988年    イギリス支社を設立
1991年    日本支社設立
1994年    ドイツ支社設立
1997年    高級シリコン製『グルメ・スパチュラ』を発表
『スクリュープル レバーモデル』が世界最速のワインオープナーとしてギネスで認定
2002年    『ココット・スキヤキ』を日本で発売

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