2012年12月21日金曜日

アメリカのレップ(外部営業員)システム

http://www.californiamart.com/
 アメリカは国土が広いために、効率的に営業をかけるために、以前はマニュファクチャーズ・レップ(以下、レップと呼ぶ)というシステムがあった。レップシステムとは、個人または企業(通常5名前後)が、メーカーの外部営業員として、各地域で営業をするというシステム。多くの場合、メーカーの名刺を持ち、メーカーとして営業をかける場合が多い。取引形態は、小売店からの注文は、メーカーに行き、メーカーから直接納品、支払いもメーカーにされるというシステムで、決済関連はレップを通さない。レップへの報酬は、入金後、定められたコミッションを支払うというのが一般的。

レップは、在庫リスク、集金リスクがないために、卸売業者より低いコミッションで活動が可能になる。また、メーカーとすれば、各地に営業員を置く経費を考慮すると、このシステムの利用で大幅にコストを削減できる。

California Mart
各レップは、通常テリトリー(全米を9~11の地区にわけることが多い)を与えられ、そのテリトリー内で営業活動を行う。レップは、各地のファッションマートにショールームを持っている場合も多い。通常1社だけでは成り立たないために、2~10ほどのブランドのレップになっていることが多い。但し、競合をしないブランド。ショールームにブランドのセクションを置く場合は、ある程度のショールーム維持費がメーカーに請求されるが、それでも、独自でショールームを持つケースと比較すると、大幅に経費を抑えられる。ロスには、California Martという、ショールームビルがあり、10年ほど前は、スペースに空きがないぐらいだったが、今は、三分の一もテナントが入ってない状況。

インターネットの発達により、商品がネットを通して見ることができるようになり、情報伝達が早くなったということが一つだと思う。展示会でざっと商品を見て、後は、ネットをみながら受注をかけるということにバイヤーも慣れてしまったために、展示会後にショールームに行き、再度検討するということ必要性がなくなってきたのではないかと思う。

後は、アメリカの長期的な景気低迷で、流通がより簡素化され、中間マージンを省かれたのも要因のひとつだと思われる。

展示会に初めて出展すると、以前は必ず、レップが自分の売り込みのためにブースに来たが、この数年の間にそれも少なくなった。ただ、ダラスのような、アメリカの中心部においては、まだレップと小売店バイヤーのつながりは強いので、アトランタ、ダラスのファッションマートはまだ賑わっているが、西(ロサンゼルス)と東(ニューヨーク)からは、レップが減少して行っている。


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